円周率は3を広めた日能研、その後のインタビュー
2001年05月04日 週刊 週刊朝日
電車の中で見たことあるかな。「シカクいアタマをマルくする」と、中学入試の問題を見せる、アレですね。99年の秋ごろ、JR山手線や営団地下鉄など15路線の全部の車両に張ったポスターは、こうでした。
「ウッソー 円の面積を求める公式 半径×半径×32002年、小学5年生は円周率を3・14ではなく、およそ3として求積計算を行います。ホントです」
日能研代表の高木幹夫さんに聞こう。
「遅いんだな。今は全然そんなこと言ってないの」
――それで円周率が3になるという根拠は?
「計算させるのは、小数点以下1位までとなっているでしょ。だから」
――円周率は別のようですが、確認されましたか?
「確認なんて、できる立場にないですもん」
――今も3になると思い込んでいる人が多いようです。
「まあ、3説が独り歩きしたようなところもあるけれど……そこまで責任はもてませんよ」
いろんな雑誌やテレビが3になると言っていたから、高木さんだけに聞くのは、ちょっと気の毒だったかもしれないね。みんなも、人からおもしろい話を聞いたら、お友達に知らせる前に、それが本当かどうか、よくたしかめよう。
(本誌・小林伸行)