ノート「この割れ切った世界の片隅で」を読んで

Newspicsで動画を見てたら話題になってた記事。

ウィークリー落合の動画では

山邊鈴(高校生、記事の作者)の出演時間が短く、

噛み合わない話で終わってた。

 

noteの概要は落合が動画内で言ったように

地方脱出の(途中)話である。

 

この子は現役高校生、よってまだ未脱出だが

頭のいい子でこれから社会で活躍していくだろう。

 

彼女は、

早期に学校制度に適応し

中高一貫校に合格、

公営住宅組を脱出し 

スカラシップフレームに乗り

エリート街道を進んでいる。

 

山邊鈴はまぎれもなく教育格差社会の勝者である。

 

そして公営住宅組の出自でエリートコースに乗れることは、

教育格差が解決している方向としても理解可能。

 

動画は教育格差問題の文脈で進行するから

全く噛み合わない。

 

山邊鈴はnoteで自身の格差を様々な切り口で書いている。

面白いことに、山邊鈴自身の立ち位置は流動的だ。

 

noteの読者は、教育格差を努力で打倒する物語を

期待して読んでいる人が多そう。

そういう単純な話でもない。

 

ここで思い切った私見。 

 

山邊鈴はnoteで教育格差を書きたかったのではなく、

アンダーアチーバーの苦しみを書きたかったのではないか。

 

環境にいる人と地頭の偏差値が20以上違う、

地頭が圧倒的に違う子供がどう生きていくか、

みたいな問題。

オーバーアチーバーと遭遇する葛藤など。 

 

これは出自、地域、人間関係を

具体的に語る必要があるセンシティブな話。

  

特に現役高校生で、

より同調が要請される女の子が

公に書いているという点では極めて特殊である。

 

アンダーアチーバーの文学というのは

一般的に20代以降に取り組むものだろう。

 

面白いのは、上述したように

このnoteは教育格差で言えば

どっち側の話としても捉えることが出来るという点だ。

 

教育問題というのは個人視点だと

どこの切り口から見ても断絶しているように見える。

   

断絶や、複数の入り口切り口によって

見え方が様々にあることや、

現役高校生でしかも女の子が執筆したことでバズったのではないか。

 

高校生の女の子が書いたことにより、

ヘイトを生みがちなアンダーアチーバー物語の毒が

中和されているというのもある。

 

あまり個人的に予見を書くとキチガイみたいだが、

彼女はこの先おそらく、

連帯の難しさ、分断の必然性という

現実を経験して大人になっていく。

 

そこから見える割れた世界は違う色を帯びているだろう。 

 

そうして獲得した人格を武器に、

教育者として社会で活躍することを期待する。