昔のニュースを掘ってみる② 昔の試験不正はぶっ飛んだレベルだった

採用、入試等の昔のニュース。

80年代までは試験というのは不正だらけであったようだ。

集団替え玉、集団カンニングはごく普通のことで、

主催側の組織的な不正も数え切れないほど出てくる。 

下記は目についたほんの一部。

 

1957.04.20 読売新聞 朝刊

都立高校長が酔払い訓話 入学式の席上で不正採用を放言 世田谷松原高 

ここでの「採用」は生徒の高校入学の話。

校長が泥酔状態で教育長の親類を不正に入学させたと放言。

この校長、後のインタビューで不正は事実だったと認めており、

世田谷区長や都議らから頼まれたとも豪快に暴露しているのである。

報道を見ると、昔の高校入試はコネだらけだったようだ。

 

1986.10.25 読売新聞 朝刊

不正入学75人 獣医畜産大 文部省に報告

3年で75人。なかなかぶっ飛んだ数字である。

  

1978.06.17 読売新聞 朝刊

裏口入学100人 51・52年度 大東文化大でも内部告発

大東文化大は2年で100人。

 

 1982.11.10 読売新聞 朝刊

九州産大 裏口入学も 毎年100人ずつ、裏金1億

後に4年で12億との報道。 

これらは大学が裏金を受け取って入学させていたケース。

 

医学部歯学部には金が飛び交っていた。以下すべて読売。

1977.06.30 読売新聞 朝刊

126人全員から35億円 愛知医大、今春の寄付 資料入手 最高5700万円

こちらは寄付金。

今の物価で言うと倍の70億かそれ以上。しかも1年。

豪快な時代だ。

不正ではないが、額の大きさからして色々あっただろうとは思う。 

 

1978.07.05 読売新聞

やはり…杏林大ヤミ入学金 30議員の献金に使う

 

1986.09.02 読売新聞

3年間に80余人不正入学 日本獣医畜産大で入試疑惑 2-5倍、点数水増し

 

1984.07.14 読売新聞

裏口入学疑惑 独協医大に検査院メス 学園全体の経理見直し/会計検査院

 

1985.09.06 読売新聞

昭和大不正入学は20人 全員退学処分に 最終調査報告 54年度から4年間も

 

 

受験者側も負けていない。

1985.02.27 読売新聞

医大12年生”ニセ医者 病院理事長の息子 裏口編入資金稼ぎに

病院の理事長の息子が、帝京大の医学部に12年在籍しても卒業できず、

医師免許無しで診療をして報酬を得ていた。

なんとその動機は、裏口編入の資金作りである。

この息子の親は、帝京大の学費で1億5000万(!)払ったので

金が工面できなくなったとのこと。

この容疑者である山川淳という人は、

日本史上最も学費を納入した人物ではないか。

  

1982.04.06 読売新聞 朝刊

京大医なにがなんでも 事務室に侵入 合格名簿自ら記名 答案もすり替える

京大の事務室に4回も侵入し、合格名簿を書き換えたり、

解答用紙を改ざんしたり、ロッカーの合鍵を作ったり、

掲示用の合格者一覧まで改ざん、その他諸々というぶっ壊れた事件。

どこから突っ込めばいいのか解らない。

 

私立医大の裏口が未だに囁かれるのは、

70年代普通に金で入学する風土があったからだろう。

当時は実弾社会だったのだ。

 

で、80年代からは徐々にアカンと意識共有されはじめ、

裏口自体は減っていき、裏口持ちかけ詐欺が流行る。

ブローカーに成りすましたのは、

予備校、大学関係者、その他全く関係のない一般人など。

現代でもこの手法は細々と生き残っている。 

 

教採も不正が囁かれるが、70年代までは当たり前のことだったのかも。

で、80年代になってバレるからアカン、ということで

事前通知スキームへ移行したのではないかな。

 

不正はバブルを境に急激に減りだしたのではないか。

社会が豊かになったことや、インターネットや携帯が原因かな。

2008年まで粘って発覚に至った大分県というのは、

相当ダメな人間達が組織を作っていたのだろう。