「家が貧乏だから大学に行けなかった」の嘘、教育情弱問題、教育機会の均等

最近は減ったが、

家が貧乏だから大学に行けなかったという話。

これはほぼ嘘である。

 

国公立の授業料減免や、貸与・給付型の奨学金を利用すれば

貧乏でも大学は卒業できる。

 

国公立大学に入る学力が無かった」

という話が本当だろう。

もうちょい厳しく言えば、大部分は

「勉強をしなかったから」だ。

国公立なんて偏差値50ちょいまで頑張れば入れる。 

 

ただし、これらの多くのケースには

「制度をなにも知らなかった」

という理由が重なってくる。

これが問題だ。

 

奨学金などの情報をほとんど知らないような家庭がある。

そういう家庭では当然、教科学習に関しても情弱だ。

 

ネットが普及する2000年以前は、

この教育情弱問題は本当に深刻だったと思う。

ネットが無いので情報を得る手段すら無かった家庭が多かったはず。

 

今の家庭にはパソコンかスマホぐらいはある。

なので、2000年以降の教育情弱とは、

端末から先のアクセシビリティ問題を指している。

 

踏み込んで言えば、この教育情弱問題、アクセシビリティ問題こそが

2000年以降の教育機会問題の焦点である。

 

「家が貧乏だから大学に行けなかった」のではない。

 

「目前にあるスマホがありながら、

どんな情報を得ればいいか解らなかった」

だから大学に行けなかったのである。

 

困ったことに、行政的、教育関係機関的には

ネット等で情報を提示すれば、

教育機会の均等を充足するという認識がある。

  

これからは情報までのスプレッドを縮小するような

アプローチの時代に入っていくだろう。

残念ながら、教育行政はこの点の意識がクソ低く、

実情はグーグルとかのIT資本主義主導で話が進んでいる。

 

余談だが、数年前NHKのクロ現に出てた貧困家庭の女子高生が

ヤラセでないかと話題になった。

パソコンを買えないというもの。

情報入手の最大手段であるパソコンやスマホは、

貧困家庭には買えないものだろうか? 

 

ヤラセかは知らないが、ここの金銭問題に関しては、

我が国では2010年~2015年あたりで解決を見たと言っていい。

パソコン、スマホの中古市場の価格崩壊、

格安SIMの台頭など。

1万円で十分なパソコン、スマホが手に入り、

月1000円台でモバイルデータ通信ができてしまうという

とんでもねー平等時代に入ったのだ。

 

ただしこの問題も、上記のアクセシビリティ問題が入ってくる。

情弱家庭だと何を買えばいいのか解らない。

格安SIMが何か解らない。それ以前の情報に届かない。

 

それでも幸いなことに、格安SIMの宣伝、

スマホコンテンツの充実、ヤフオク、メルカリの台頭など

IT業界が猛烈な勢いで教育機会の均等を進めてくれている。

2015年あたりから、CtoCの中古市場にまで

一般人がリーチできる時代に入って来ているのだ。

すごい時代である。

 

先日、政府から情報教育の推進の話題が出た。

教育機会の均等に関しては、

本当に恵まれた社会になってきたな。